FC2ブログ
--
--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
10
2015

専修大事件~打切補償による解雇の可否について決着!

専修大の職員の、労災後の打切り補償による解雇について有効か無効かが争われた事件。
高裁で「解雇できない」という判決が出たときは衝撃が走り、その後の展開が発表されるのをずっと待ち望んでいましたが、8日、最高裁にて「解雇すること自体はできる」との判断が出されました!

記事によると…
男性は2003年、腕に痛みなどが出る「頸肩腕(けいけんわん)症候群」と診断され、07年に労災認定と労災保険の支給決定を受けた。男性は11年、リハビリをしながらの職場復帰を求めたが、専修大は認めず、打ち切り補償金約1629万円を支払って解雇した。
労働基準法は、業務によるけがや病気で休業する期間は解雇を原則禁止。ただ、雇用側が療養費を負担し、療養開始後3年たっても治らない場合は、平均賃金の1200日分の「打ち切り補償」を支払えば解雇できると規定している。 
第2小法廷は「労災保険給付は、雇用側が負担する療養費に代わるものだ。打ち切り補償後も、けがや病気が治るまでは給付が受けられることも勘案すれば、労働者の利益が保護されないとは言い難い」と指摘した。 
その上で、解雇に合理的な理由があるか検討が不十分だとして、一審同様に男性勝訴とした二審東京高裁判決を破棄し、審理を差し戻した。(時事通信社)
とのこと。

そもそも、記事の通り、労災事故が発生した場合、事業主は労働基準法により、その補償をしなければなりません。
その療養が長期にわたると、事業主に大きな負担が掛かるため、こんな規定が設けられています。
労基法81条:療養補償によって補償を受ける労働者が、療養開始後3年を経過しても負傷又は疾病がなおらない場合においては、使用者が、平均賃金の1200日分の打切り補償を行い、その後は労働基準法の規定による補償を行わなくてもよい。

そして、同法第19条の解雇制限では
使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間は解雇してはならない。
但し、第81条の規定によって打切補償を支払う場合は、解雇制限の規定は適用されない。
とされています。

今回、争点となったのは、「事業主自ら直接労災補償をしていたのではなく、労働者災害補償保険法に基づいて給付がなされていたのだから、打切補償により解雇することはできないんじゃないの?」というものでした。

そもそも労災保険は、労基法に基づき事業主責任を果たせるよう強制加入保険で、保険料も全額事業主負担です。
強制加入で払ってきた保険料を無駄にし、自ら労災補償する事業主がこの世に存在するのでしょうか??
だったら、強制加入にした時点で労基法の打切補償規定は意味の無いものになりませんか?
今回の労働者の主張や東京高裁の判断は、揚げ足取りであり、「法の諭旨」を無視したものではないでしょうか。
良識ある最高裁判官に敬意を表します!

ところで、本件、東京高裁の判決が出た時、社労士仲間の間でもちょいちょい話題に。
争点についても情報が錯そうし、「そりゃ解雇できないよ」という先生もいらっしゃいました。
「和解なんてしないで、結果を出して欲しい!」と悶々としていたいたところに飛び込んだニュース!
あースッキリした(笑)

それにしても、古い法律なのに「最高裁、初の判断」…。
争点になった事が無い、ということです。
こうだと思い込んでいても、意外と落とし穴があるのかもしれません。

ちなみに、解雇すること自体は可能でも、その理由の正当性がなければ不当解雇となり解雇は認められません。

励みになりますのでクリックして頂けると嬉しいです。
 ↓↓↓
にほんブログ村 士業ブログ 社会保険労務士(社労士)へ
にほんブログ村
.
関連記事
スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。